【埼玉・産業廃棄物収集運搬業許可申請】積替保管について

積替保管の概要

産業廃棄物の運搬は、排出された場所から中間処理施設まで直行するのが原則です。しかし、産業廃棄物の排出場所と中間処理場の立地（距離）・収集運搬する産業廃棄物の量・収集のタイミングなどによっては、産業廃棄物を途中で自社の保管場所に一時的に降ろしたり、積み替えたりする場合は「積替保管」となり、都道府県（政令市、中核市）の許可が必要です。

積替保管許可の要件

積替保管の許可は、単独ではなく産業廃棄物収集運搬業許可に含む形で付与されます。積替保管を含む産業廃棄物収集運搬業許可を取得するには、施設の要件を満たしたうえで、都道府県（政令市、中核市）ごとの必要書類を提出します。産業廃棄物の運搬中に「有価物の抜き取り」を行う場合も、積替保管許可が必要です。積替保管の要件は「基本となる要件＋施設に関する細かな措置」です。ただし、都道府県（政令市、中核市）ごとに基準が異なるため、申請の際は事前確認が必要です。

囲いを設ける

• 高さ：3m程度
• 材質：鋼板またはブロック
• 施錠できる門扉などの設置

掲示板を設ける

• 施設の見やすい場所に設置
• 60cm×60cm以上のサイズの掲示板を設置する
• 保管する廃棄物の種類を表示する
• 「産業廃棄物の積替保管場所である」ことを表示する
• 管理者の氏名または名称・管理担当部署名や電話番号などの連絡先を表示
• 最大保管高（屋外で容器を使用せずに保管する場合のみ）

産業廃棄物の飛散・流出・浸透・悪臭の防止措置を行う

• 床面は不透水性の構造（アスファルトやコンクリートなど）
• 汚水の流出を防ぐ設備として、排水溝などを設ける

管理事務所を設ける

• 常駐可能な管理事務所を施設の敷地内に設置する

害虫や害獣の発生防止措置を行う

蚊・ハエ・ネズミなどの害虫や害獣が生息・発生しないよう予防策を講じる

業務効率化

例えば、様々な品目が混ざり合っている大量の産業廃棄物を、運搬車両の最大積載量で収集し、積替保管場まで運搬します。そこで一時的に保管・分別・積み替えることにより、処理施設での手間が省けますので、全体的な業務効率化が図れます。この時、「有価物」を抜き取ってリサイクルもできます。資源の有効活用につながるだけでなく、利益も生み出すことができるでしょう。

※「有価物」とは、古紙・鉄・アルミ・ペットボトル・ガラス瓶などリサイクル可能な資源のことを指します。

コスト削減

複雑に混ざり合った状態の産業廃棄物を複数回に分けて直行で運搬するよりも、燃料費や人件費などのコスト削減につながります。積替保管を活用してコストを削減することが、結果として人手不足や利益の課題解決にもつながるはずです。

SDGsへの貢献

さらに、直行の場合は長距離を行ったり来たりすることで排気ガスの発生が懸念されますが、積替保管を活用することでCO2を含む排気ガスの排出が減らせます。地球環境に配慮し、脱炭素化を目指した産業廃棄物収集運搬で、SDGsへの貢献にもつながります。これは、会社のブランディングやイメージ向上にも大きく寄与するでしょう。