【産業廃棄物許可】行政書士が解説！千葉県金属スクラップヤード規制条例の概要と開業の流れ

金属スクラップの適正処理の必要性

金属スクラップの不適切な処理は、以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。

• 騒音・振動：解体に伴う重機の稼働や大型車の出入りによる騒音や振動の発生
• 環境汚染：油類やフロン、ヒ素などの有害物質の流出による環境汚染
• 火災・爆発：可燃性の油類やスプレー缶、リチウムイオン電池などの混入による火災や爆発
• 治安悪化：犯罪組織の関与による盗難車の解体や不法な輸出入など

このように、金属スクラップヤードの不適切な運営は、周辺住民の生活環境や健康に甚大な被害を及ぼしかねません。適正な届出や許可を得たうえで、環境や安全面での十分な対策を講じた運営が重要です。

千葉県の「金属スクラップヤード等規制条例」

千葉県の「金属スクラップヤード等規制条例」の概要は以下のとおりです。

目的

目的は、県民の生活安全確保と生活環境の保全のための支障防止です。スクラップの適正処理を目的に、以下の規制内容があります。

規制内容

• 事業場ごとの許可取得の義務
• 住民への事業説明会の開催義務
• 保管基準の遵守の義務
• 現場責任者設置の義務

既存事業者にも令和7（2025）年3月31日までの許可取得を義務付けています。

実効性を確保するための手段

• 報告徴収や立入検査
• 業務停止命令などの措置命令
• 許可取り消し
• 無許可営業、命令違反等への罰則

千葉で金属スクラップヤードの事業を展開している方は、千葉県のホームページも確認しながら許可申請を進めることをおすすめします。

参照：千葉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例（通称：金属スクラップヤード等規制条例）

特定再生資源の概要

• 収集する金属やプラスチックが廃棄物ではない
• 本来の用途で使用が終了している
• 有害使用済機器や特定自動車部品、放射性物質などに該当しない

特定再生資源屋外保管業に該当する事業とは

• 特定再生資源を保管する事業
• 屋外で保管する
• 特定再生資源を積み上げる作業に機械を使用する

手続きの流れ

屋外で重機を使用して特定再生資源の保管等を行う際には、千葉県と事前協議を経たうえで許可の申請に進みます。

事前協議の流れ

• 申請者は事前協議書類を提出、県側と事前協議開始
• 県から審査指示事項通知書が送付され、申請者は関係機関と調整
• 申請者は審査指示調整報告書を提出し、県は調査結果を確認
• 特に問題なければ事前協議終了、申請者は許可申請の準備

許可申請の流れ

• 申請者は申請書類を提出
• 書類に不備等なければ県側による現地確認
• 許可となれば事業開始準備を経て事業開始

許可を得るためには、立地条件や設備基準などを満たす必要があります。申請書類の作成、周辺住民への説明なども重要です。許可申請には専門性が求められるため、行政書士による申請サポートの活用をおすすめします。