再資源化事業等高度化法
2026/05/162026/05/16
令和7年11月21日、「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」(令和6年法律第41号。通称「再資源化事業等高度化法」または「再資源化高度化法」)が全面施行されました。
■ 再資源化高度化法とは
昨秋全面施行された法律です。法第1条は、効率的な再資源化と温室効果ガス削減効果が高い資源循環の促進を目的とすると規定しています。
この法律の最大のポイントは、国の認定を受ければ廃棄物処理法上の許可なしに収集運搬・処分・施設設置を行える、という従来の枠組みを根本から変える特例制度が創設されたことです。
■ 認定制度の3つの類型
認定制度では、事業の特性に応じて3つの類型が用意されています。
▼ 類型1:高度再資源化事業(法第13条)
製造事業者等の需要に応じて、廃棄物の収集運搬から再資源化、再生材の供給までの一連の事業を一括認定する仕組みです。動静脈連携による広域収集スキームを構築する事業者向けです。
・対象範囲:収集運搬から再生材供給までの再資源化事業全体
・想定例:廃プラスチック類の油化事業、複数自治体をまたぐ広域回収スキーム など
▼ 類型2:高度分離・回収事業(法第16条)
環境大臣が告示で指定する廃棄物について、高度な技術を用いた分離・回収を行う事業を認定するものです。
現在指定されている廃棄物(令和7年環境省告示第82号)は次の3品目です。
・廃太陽電池(附属品を含む)
・廃リチウム蓄電池等(使用製品及び処理後物を含む)
・廃ニッケル水素蓄電池等(使用製品及び処理後物を含む)
※ 今後、対象廃棄物は追加される可能性があります。対象範囲は中間処理で、収集運搬は対象外です。
・想定例:太陽光パネルの100%リサイクル、車載リチウムイオン電池からのレアメタル回収 など
※ 従来型の単純な破砕選別や焼却は認定対象になりにくいと考えられます。
▼ 類型3:再資源化工程の高度化(法第20条)
既に廃棄物処理法上の許可を取得して再資源化を行っている事業者が、温室効果ガス排出削減に資する設備更新等を行う場合に認定を受けられる類型です。
・対象範囲:中間処分施設・再資源化施設の設備更新
・想定例:AIを活用した高効率選別設備の導入、省エネ型破砕機への更新 など
※ 処分業の変更許可に係るものは認定対象に含められません。注意が必要です。
■ 認定を受けるメリット
(1) 廃棄物処理法上の許可が不要になる
認定を受けた事業計画の範囲内では、収集運搬業許可(類型1のみ)・処分業許可・廃棄物処理施設設置許可が不要となります。施設設置許可は通常長期間要する手続ですので、これが国の一括認定で代替されるインパクトは絶大です。
(2) 複数自治体にまたがる広域事業のスピード化
通常、廃棄物処理業は事業を行う区域ごとに許可が必要です。認定制度では国による一括認定により、地方公共団体を越えた広域事業がシームレスに展開可能となります。
(3) 再委託禁止の特例(類型1)
認定事業者から処理委託を受けた再委託受託者は、業許可なしで認定計画に従った行為を実施可能となります(法第13条第3項)。
(4) 税制優遇
認定に基づき新設・取得した設備について、固定資産税の課税標準価格が2分の1、法人税の取得金額の35%特別償却が受けられます。
(5) ブランディング効果
国の認定事業者として、社会的信用力の向上、製造事業者とのマッチング機会の創出、ESG投資の獲得などが期待できます。
■ 認定取得にあたっての注意点
メリットの大きい制度ですが、次の点に注意が必要です。
・温室効果ガス削減効果を定量的に示す必要がある(環境省所定の算出シートでの試算が必須)
・「需要に応じた」資源循環、すなわち再生材の安定的な引取先・利用先の確保が前提
・既存制度(優良産廃処分業者認定、多量排出事業処理計画等)への取組実績も評価される
・廃掃法の許可が不要となっても、生活環境保全の措置は必要
・認定後も実施状況の報告等が継続的に求められる
■ オフィスクサマの認定取得支援
行政書士法人オフィスクサマでは、再資源化高度化法の認定取得を検討される事業者様を全面的にサポートいたします。全国対応可能です。
「自社の事業が認定の対象になり得るか」「どの類型が最適か」など、お気軽にオフィスクサマへご相談ください。
■ まとめ
再資源化事業等高度化法は、廃棄物処理業界にとって大きな変革をもたらす法律です。
・廃掃法の許可なしで事業展開できる認定制度が創設
・廃太陽電池・廃リチウム電池等の指定廃棄物には、高度リサイクル事業の道が開ける
・税制優遇等の具体的メリットあり
(参考)
環境省 再資源化事業等高度化法 特設ページ
https://www.env.go.jp/recycle/waste/page_01721.html
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