廃棄物処理法のヤード規制(使用済金属・プラスチック物品の保管業/再生業 許可制)制定されました。
法律が改正になり、概ね2年半以内に全国で許可制となります。
金属スクラップヤードや使用済プラスチックの保管・再生に関わる事業者の皆さまにとって、見過ごせない法改正が動き出しました。いわゆる「ヤード規制」を盛り込んだ廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)等の改正法案(閣法第59号)が、令和8年6月12日の参議院本会議で可決され、成立**しました(投票総数244・賛成239・反対5)。
これまで自治体の条例(埼玉県・千葉県など)で個別に規制されてきた金属スクラップヤード等が、廃掃法の改正によって全国一律の許可制となります。
改正廃掃法の「ヤード規制」とは
今回の改正は、廃棄物処理法に新たな章(第四章の二)を設け、「使用済みの金属・プラスチック物品の「保管」と「再生」を行う事業を、都道府県知事の許可制とする」ものです。鉄スクラップ、被覆ケーブル、雑品スクラップ、廃プラスチック由来の物品などを大量に取り扱うヤードが、主に念頭に置かれています。
規制の対象は「すべての金属・プラスチック」ではなく、法律案では、対象を次のように限定して定義しています(第2条に第7〜9項を追加)。
「使用済金属・プラスチック物品」=使用を終了し、収集された物品で、その全部または一部が金属またはプラスチックから成るもの。
(廃棄物、放射性物質およびこれによって汚染された物は除く。)
そのうち、適正な保管・再生が必要なものとして「要適正保管物品」「要適正再生物品」が定められます。
「有価物だから廃棄物処理法の許可は関係ない」という従来の理解は、このヤード規制では通用しません。
有価で買い取っているものであっても、要適正保管・要適正再生物品に当たれば許可が必要になります。これが今回の改正の最も大きなポイントです。
許可は「保管業」と「再生業」の二種類
新たな許可は、大きく二つに分かれます(いずれも許可権者は都道府県知事)。
1. 保管業(要適正保管物品の保管業/第24条の7〜)
譲渡を目的とした保管などを業として行う事業。
2. 再生業(要適正再生物品の再生業/第24条の15〜)
再生(具体的範囲は政省令で定められます)と、その再生のための保管を一体でする事業。
制度のポイント
許可の有効期間
「5年を下らない期間」ごとの更新制とされています(第24条の7第2項)。「5年ごと」と固定されているわけではなく、具体的な期間は政令で定められます。
欠格要件
暴力団員等の排除など、廃棄物処理業と同様の欠格要件が法定されています。
既存業者の特例
一般廃棄物処分業者などの既存事業者は、新たな許可を「受けないで」事業を行えます(第24条の12・第24条の19)。「対象外」でも「みなし許可」でもなく、「許可不要(適用除外)」という整理です。埼玉県条例の「みなし許可」(既存業者は届出で許可とみなす)とは制度が異なります。
また、適用除外であっても保管・再生に関する基準等は及ぶ前提で設計されています。この点は埼玉県条例とは大きく異なります。
輸出規制
輸出時に環境大臣の確認が必要となるのは、**特定有害廃棄物等(いわゆるバーゼル法該当物)に当たる物品に限られます**(第24条の14・第24条の21)。「使用済金属・プラの輸出すべてに確認が必要」というわけではありません。
有害使用済機器の届出制度(第17条の2)は廃止
現行の届出制度は、今回の許可制に再編されます。
「屋外」限定はありません
規制は施設(屋外ヤード)ではなく、あくまで物品・事業ベースで設計されています。「屋外保管業」は埼玉・千葉県等条例側の用語です。
法律は成立はしましたが、細部の多くは、今後、政令、省令で定められていきます。2
令和8年6月14日時点では、
- 公布日・法律番号は未確定です(官報での公布が確認できていません)。
- 施行日は「公布の日から2年6月を超えない範囲内で政令で定める日」とされています。
- 対象品目の具体的な指定、許可が不要となる小規模(敷地面積等)の線引き、保管・再生の基準などは、政省令に委ねられており、現時点具体的内容は明らかになっていません。
Q&A
Q1. 当社は有価で雑品スクラップを買い取っています。廃棄物ではないので関係ないですよね?
A. 今回のヤード規制は、廃棄物に当たらない「有価物」であっても、要適正保管・要適正再生の使用済金属・プラスチック物品に該当すれば許可の対象なる制度です。「有価物だから対象外」は通用しません。
Q2. すでに県のヤード条例(埼玉・千葉など)で許可・届出を済ませています。国の許可も別に必要ですか?
A. 国の新法と各都道府県のヤード条例との関係を明示する規定は、現時点の資料では確認できていません。
状況を注視してご案内します。
Q3. 既存業者は「許可不要」と聞きました。何もしなくてよいのですか?
A. 廃棄物処分業者等の既存事業者は新たな許可を「受けないで」事業を行えますが、これは「規制が及ばない」という意味ではありません。
保管・再生の基準等は該当する制度となっています。
Q4. いつまでに準備すればよいですか?
A. 施行日は未確定です「法律の公布から2年6月を超えない範囲」での施行されることとなっています。
行政書士法人オフィスクサマのヤード規制サポート
当事務所は、産業廃棄物・スクラップヤード・各種リサイクル法務を専門領域とする行政書士法人です。全国のヤード規制についてもご支援します。
なお、ある物品・事業場が規制対象に当たるか、廃棄物該当性・有価物性をどう判断するかの最終的な判断権限は所管自治体(都道府県等)となります。
当法人では、その判断を見据えた事前整理と手続支援を行います。
「うちは対象になるのか」
「県条例の許可は取ったが、国の許可も必要になるのか」
などご不安な事業者様は、お気軽に行政書士法人オフィスクサマまでご連絡ください。
電話 048-711-6191 / 090-5326-7783