産廃委託契約書の法定記載事項が追加
2026/01/072026/01/07
廃棄物処理法(廃掃法)施行規則(第8条の4の2)などの改正に伴い、産業廃棄物処理の委託契約書において、PRTR制度の対象物質(第一種指定化学物質)に関する情報の記載がよ必要にになっています。
契約書の備考欄などに書ききれない場合は、「詳細は別途WDS(廃棄物データシート)または成分表による」と記載し、添付書類とすることも対応可能です。
この項目が明記された最新の契約書雛形は、いくつかの自治体等で公開されています。
産業廃棄物委託契約書(例)がダウンロードできる自治体の例
またPRTR制度については下記リンクもご参照ください
経済産業省 化学物質排出把握管理促進法
(以下AIによる要約です)
なぜ契約書(WDS)にPRTR情報の記載が必要なのか?
排出事業者が委託する廃棄物に「どんな化学物質が含まれているか」を正確に伝えることは、処理業者が「安全に処理するため」だけでなく、処理業者自身が「PRTR法に基づく届出(移動量の把握など)を適正に行うため」によります。
1. PRTR制度とは(制度の目的)
PRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register:化学物質排出移動量届出制度)とは、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質について、事業所から環境(大気・公共用水域・土壌)へ排出される量(排出量)および、廃棄物等に含まれて事業所外へ移動する量(移動量)を、事業者が自ら把握して国に届け出る制度です。
国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計・公表します。
2. 届出が必要な事業者の要件(3要件)
PRTRの届出義務は、原則として次の3要件をすべて満たす事業者に生じます。
①業種要件
政令で指定された24業種に属する事業を営むこと(例:製造業、産業廃棄物処分業等)。
②従業員数要件 事業所を合算した常用雇用者が21人以上あること。
③取扱量または施設要件(いずれか)
・第一種指定化学物質の年間取扱量(原則:年間製造量+年間使用量)が1トン以上(特定第一種指定化学物質は0.5トン以上の事業所を有すること。
・特別要件施設(例:廃掃法の産業廃棄物処理施設等)を設置していること。
※注意点
特別要件施設の設置は「③の要件」を満たす扱いですが、②(常用雇用者21人以上)が免除されるわけではありません。従業員要件は必須です。
3. 対象化学物質(物質数)
PRTR届出の対象は化管法上の第一種指定化学物質で、計515物質です(令和5年度把握分より適用)。
このうち、発がん性など、より重篤な影響が懸念されるものが特定第一種指定化学物質(23物質)として指定され、取扱量の基準が厳しく(0.5トン以上)なっています。
4. 産廃業者(とくに処分業者)の実務上の注意点
排出事業者だけでなく、廃棄物を受け入れる「処分業者」にとってもPRTRは無関係ではありません。以下の点に注意が必要です。
(1) 「産業廃棄物処分業」は対象業種
産業廃棄物処分業は、政令指定業種(24業種)に含まれます。従業員数などの要件を満たせば、届出義務者になり得ます。
(2) 「受入廃棄物」の扱いは要注意
もっとも判断が難しいのが、「受け入れた廃棄物に含まれる化学物質」の扱いです。
<原則:単に受け入れた廃棄物を破砕・圧縮・選別等を行い、成分が物理的に分離されるだけの場合は、「使用(取扱)」に該当しないため、取扱量の算入は不要とされるケースが多いです。
例外(届出対象): 中和処理、焼却処理、化学反応を伴う処理などで、対象物質を「使用」して分解したり、工程内で対象物質が「生成(副生)」されたりする場合は、取扱量への算入や排出・移動量の把握が必要になります。
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